あさきっさ・その3
[あさきっさの年末]
罪子「さあ、元旦に備えて飾り付けを致しましょう」
この子「うむ、30〜31日に飾り付けをするのは失礼にあたり、29日は9の数字が「苦」を意味するので忌み嫌われているからな」
蛹「さっすが和の曲!物知りだね〜」
この子「いや、知らないとまずいだろ」
ズビシ!とツッコミを入れるこの子。
月光蝶「あんまり遊んでる暇ないんじゃないかなぁ。 今日中に飾り付け済まさないといけないんだし」
この子「そうだな。 アホの相手もこの辺にて、さっさと終らせるか」
蛹「あ!ひっどーい!!」
ぎゃーぎゃーと喚き散らす蛹。
と、そこへ不機嫌そうな顔をして鬼姫がやって来る。
鬼姫「蛹よ…朝位は静かにしておれぬのか」
妹に呼び捨てにされる蛹。しかし言われ慣れているのか、気にする素振りを見せない。
蛹「姫ちゃんはよっす!! もうすぐ今年も終わるんだしぃ、なんかいてもたってもいらんなくてね〜」
あはあはと笑う蛹。
朝早くから賑やかな居間に蛍や赤い鈴らが起きてきた。
赤い鈴「まだ6時じゃないですか…。 早いゲームセンターでもまだ開かないわよ」
蛍「そんな早くに開いてたら、僕達寝る時間なくなっちゃうよ」
蛹「朝早くからやりに来てる人ってさぁ…ニ(ry」
この子「それ以上は言ったら消されるぞ姉さん」
とっさに禁句を言おうとした蛹の口を塞ぐこの子。
赤い鈴「二度と言わぬ様に舌を切ってしまいましょうか?」
フフ、と妖しげに笑みを浮かべる赤い鈴。
蛹は冷や汗を流して沈黙。
と、そこへアニュスがやって来る。
アニュス「やっぱり皆やってたね。 起きてすぐに飾り付けをしといて正解だったよ」
一同「「(`;・ω・´)そ な、なぬ!!」」
アニュス「ウチの家族の事ですから、今日中でも終るかどうか怪しいですからね」
家族の事を知り尽くしているアニュス。
流石はBPMが早いだけの事はある。
アニュス「それじゃあ僕は部屋の大掃除を終らせてから、 ささきっさに年末の挨拶に行って来ますので…」
アニュスの一言に一同固まる。
一同「「…大掃除の事忘れてた…」」
[蛹の部屋]
何やらぬいぐるみだらけでファンシーな内装だが、その大半が綿がはみ出ていた。
恐らくは【にぎにぎ】による物だろう。
蛹「あ゛〜…片付けの途中が一番汚いよなぁ〜」
部屋中各パートのノーツだらけになる。
ギターG・B・O赤譜面とDM赤譜面分のノーツが広がり、恐らく外からドアを開くとノーツが外に流れ出るだろうな。
蛹「あ〜…、どれが赤G譜面のノーツだっけ…。 まあいいや、後で直そ」
ノーツを適当に整理整頓し、掃除機をガーガーかける。
蛹「こんなに汚れてたかぁ、私も歴長いもんね。 大ベテランだぁ!!」
一人で盛り上がる蛹。だが騒いでて空しくなって掃除再開。
と、突然ドアをノックする音が聞こえた。
???「おい、掃除は終わったのかー?」
蛹「マダー!開けると危ないy(ry」
と、言い終る前にドアが開いた…
ダジャカダジャドダバダバガジャダバダバァ!!!!
全パートの音がしっちゃかめっちゃかに鳴り響いた。
そのノーツ達に埋まったのはこの子だった。
蛹「勝手に開けちゃあダメだよこの子ぉ〜」
この子「………」
ギロリと蛹を睨みつける。蛹はあはは…と苦笑いを浮かべた。
ヨイショ、とノーツの山を大雑把に退かしてこの子を救出。
この子はよろよろと立ち上がりながらパンパンと着物に付いた埃をはたく。
この子「少しづつ片付けんかこの馬鹿者!!!!」
蛹「開けるなって言い切る前に開けたじゃんかぁ」
むー、と膨れる。
確かに自分にも非がある、とこの子は顎に軽く手を当てる。
この子「俺にも非があるな、仕方ない。 少しだけ片付けを手伝うからさっさと終らせろ」
蛹「マジ!? 助かるわ早速やろやろ〜!!!」
結局この子は片付け全てを手伝わされるハメになった。
この子は迂濶に手伝うと言わなければよかったと後々後悔したという。
―後日
DMプレイヤー「よし、蛹赤譜面でもやるか」
蛹「アタシも負けないよー!!!」
キュン(決定音)
しかし、降って来るノーツの中にギターにしか無い筈のOPENノーツが降って来た。
プレイヤー「え゛!?」
あまりの衝撃に1ノーツを見逃したプレイヤー。
しかしパーフェクトの表記。
DMプレイヤー「…つまり、OPENは何も叩くなって事……なのか?」
蛹の部屋が片付くまでの間、数名のプレイヤーはこのSPECIAL RANDAM譜面を思う存分堪能したという。