あさきっさ・その6


-ある日のあさきっさにて-

カランカラン
ゆら「こんにちはー」
蛹「いらっしゃいま…あ、ゆらさん。一人で来るなんて珍しい。」
ゆら「近くまで来たものですから。…あら?他の皆さんは?」
蛹「あーなんか今父さんが過労で死にそうになってるからみんなで差し入れのみかん探しに行ってるんだー」
ゆら「そうですか…蛹さんは行かなくていいんですか?(というかこの人が店番で大丈夫かしら…?)」
蛹「本当は極東辺りに任せて行きたかったんだけど姫ちゃんが『おぬしはみかんをにぎにぎするから駄目じゃ!!』って言って連れてってくれなかったんだよね。」
ゆら「そ、そうですか…」
蛹「別ににぎにぎした所でみかんがオレンジジュースになるだけなのに。あ、何もないけどゆっくりしていってね。何か飲む?」
ゆら「えーと…じゃあ蛹ソーダ一つ。」
蛹「了解ー」

〜蛹一曲分経過〜

蛹「おまちどおさま、蛹ソーダでーす。
ゆら「ありがとうございます。…前から思ってたんですけど蛹ソーダの原料って…」

ドコドコドコドコ

蛹「あ、ごめん手が滑った。…何の話だったっけ?」
ゆら「あ…いえ、なんでも。(手が滑ったのにバス!?絶対わざとですよね!?)」
蛹「そう?ならいいんだけど。…あ、電話だ。ちょっと待ってね。」
ゆら(蛹さんって時々何とも言えない謎の恐怖感が…)
蛹「もしもーし?あ、月光蝶?どうしたの?うん…うん…えっ、ちょっと何やってるの!?うん…分かった。すぐ行くから!!」
ゆら「どうかしたんですか?」
蛹「いや、何かこの子とツミ子がみかん畑で…」
ゆら「?」
蛹「『収穫したみかんを入れるならおでんかすき焼きか』でスネアの投げ合いになってるらしい…」
ゆら「!?だ…大丈夫なんですか!?」
蛹「本人達はね。でも周りへの被害が甚大になりそう…ってかそんなもの食べさせたら父さんマジで死んじゃうし」
ゆら「で、ですよね…」
蛹「こういう時は大抵姫ちゃんが止めてくれるけど今は呼び出しかかってていないらしいしなぁ…こうなったら私が止めに行くしかないんだけどゆらさん、少しでいいから店番頼んでもいい?」
ゆら「あ、はい。いいですよ。店は何とかしますから蛹さんは現地へ!!」
蛹「ありがとう!!じゃあ行ってくる!!」



カランカラン
遠雷「蛹さーんドラム側赤譜面で出番ですよー…ってあれ!?なぜゆらさんがここに!?蛹さんは!?」
ゆら「あら遠雷さん、蛹さんならちょっと出てますけど…」
遠雷「えー!?プレイヤーの人が選曲しちゃったんですけど!!」
ゆら「今から追いかけても間に合いそうにありませんし困りましたね…」
遠雷「あー!!あと20秒しか…。!!そうだ、ゆらさんのBPMって190前後でしたよね!?」
ゆら「え、ええ…」
遠雷「じゃあ蛹さんのふりして出て下さい!!」
ゆら「そんな…出来ませんよそんな事!!」
遠雷「ゆらさんレベル90以上あるしノーツ数的にもごまかしきれますから!!…あと10秒!!行って下さいゆらさん!!はいこれぬいぐるみです!!」
ゆら「えー!?」

〜ゲーセン〜

プレイヤー「お、来た来た…ん?さなぎって平仮名表記だったっけか?」
さなぎ(ゆら)「そ、そうだよー(蛹さんってこんな口調でしたっけ…!?)」
プレイヤー「ふーん…まぁいいや。そんじゃあスタートっと。」
ゆら(あーとうとう来てしまいました…最初は確か…)
プレイヤー「…は!?なんでタム!?」

ゆら(ま、間違えた…)

プレイヤー「えっちょバスは!?」

ゆら(はっ!!うっかり自分の曲になってました…)

プレイヤー「あれ…?さなぎってこんなに明るい曲だったっけ…?何かピアノも聞こえるし。」
さなぎ「も、元々こんな曲…(断じて違います!!)」
プレイヤー「ってか何だ!?序盤からこんなに長い連打があったか!?スネアは良しとして何でこんなに満遍なく!?」
さなぎ「え…S乱…」
プレイヤー「いつからドラマニに導入されたー!?ぎゃぁぁぁぁ何だこれ実はレベル90代あるだろ!?」
さなぎ「き、気のせい気のせい…(あーもう無理です!!)」
プレイヤー「いやこれは絶対気のせいじゃない!!…そういえば前にこんな譜面を見た事あるぞ。この譜面は確か…」
ゆら(気付かれました!!…こうなれば強制的に立ち去ってもらわなければいけませんね…えいっ。)

-全ノーツバスに投入-

プレイヤー「ちょちょちょ確かに蛹のバスは鬼だけど!鬼だけど!えぇー!?」

ピチュン

ゆら(ごめんなさい悪気は無かったんですけどどうしても正体がバレる訳には…)

カランカラン

蛹「ただいまー!」
ゆら「お帰りなさい蛹さん。大丈夫でしたか?」
蛹「バスぶつけて黙らせたから大丈夫ー
それよりも店番大丈夫だった?」
ゆら「え、ええまあ…」
蛹「何かあった?あ、もしかしてたちの悪い客でも来た?」
ゆら「いえ、そんな事は…」
蛹「本当に?」
ゆら「は、はい。その…『店番』は大丈夫でした。」
蛹「それならいいんだけど。あ、お礼にこれサービス。」

つ 蛹ソーダ・オレンジ風味

ゆら「ど、どうも…」
蛹「それにしてもさすがささきっさやってるだけあって綺麗に片付いてるーやっぱゆらさんに店番頼んで良かった〜」
ゆら「い、いえいえ…(言えない…急場とはいえ蛹さんのふりした上にプレイヤーを強制的にガッシャンさせたなんて絶対言えない…)」

翌日、全国のランカーが蛹に勝負を挑みまくったそうな


蒼白「ねー、あなたが蛹さんのふりすればよかったんじゃない?」
オバゼア「何故ですか!! 僕と蛹さんって全く似てないじゃないですか!!」
そっと「そっくりじゃない!!」
オバゼア「どこがですか!!」

そっと「DMのLV設定で、黄は超逆詐欺ってところが」
オバゼア「V2までそうだったあなたにだけは言われたくないですよ…」

正論「でもオバゼアが代わりに出たら一発でバレるよね…」
蒼白「その方がいいじゃない。 その、サプライズ的に」


戻る。