遠く離れても
ギュイーン! 
  
プレイヤーA「…あれ、読み込み遅いなあ、どうしたんだろう」 
  
 恋「…え、呼ばれてるのって私!?た、大変、早く行かなきゃ」 
 A「お、来た。待ってたよ」 
 恋「びっくりした…あなたぐらいのスキルの人が、未だに4-3設定のこの筐体で私なんか呼ぶわけがない、って思ってたから」 
 A「そうだね…君を演奏するのは随分久しぶりかもしれない。 
 ──でも覚えてる?僕が初めてセッションした曲は君だったんだよ?」 
 恋「覚えてる…選曲してくれる人が少なかったから。 
 確か、彼女さんと一緒にやってくれたんだよね」 
 A「……うん」 
  
 ──あなたの全ての言葉で、心揺れる── 
  
A「これも覚えてるかな、確かそれがV4始まったばっかりぐらいでさ、彼女にわざわざギターやってもらったのに僕がCとか出しちゃってww」 
 恋「うん、覚えてるw」 
 A「笑われてさ…それが悔しくて、必死で頑張ったんだよな…」 
 恋「それが今じゃ赤ネームだもんね…」 
  
 ──他に欲しいものなんてない、媚びる理由なんてない、 
 あなたの全てで包んで欲しいだけ── 
  
 A「──彼女がさ、遠くに引っ越しちゃったんだ」 
 恋「──え?」 
 A「寂しくなって、それでたった今君の事を思い出して、やってみたくなったんだ」 
 恋「…………」 
  
  
 A「…あ」 
 恋「あ、スゴイ!繋がれちゃったね」 
 A「…うん。これ、彼女に見せたかったな…」 
 恋「…………」 
恋「……! 
 ねえ、今すぐにバトルに入ってみてくれない!?」 
 A「え…?」 
  
  
  
 バァートゥル! 
 セレクトミュージッ! 
 ニューチヤレンジャーファウン! 
  
  
  
 A「……!! 
 ねぇ、このネームって!!」 
 恋「うん、そうだよ間違いない!」 
 A「…向こうは気が付いてるかな?じゃあ…頼む、デザレ!」 
 デザレ「あ、俺か?久しぶりだな、でも俺の事苦手だっつってなかったか?」 
A「君を選べば、こっちは気がついてるのが分かるはずなんだ…」
デザレ「…そういや、あの娘俺の曲が好きだったっけな」 
 A「…僕もね」 
  
  
  
 プレイヤーA 
 Desert Rain EXTREME 72 
  
 プレイヤーB 
 Desert Rain EXTREME 72 
  
  
  
 A「──!!」 
  
  
  
 恋「…あーあ、勿体ない。お互いに何でもないところで切ってる…画面が滲んで見えないんだろうなあ…でも、二人ともやっぱり凄く上手くなってる」 
  
 A「…負けちゃったか」 
 デザレ「惜しかったんだがな…残念だったな」 
 A「…僕さ、ホントはV4終わったらもうやめようと思ってたんだ。彼女と一緒にやるのが楽しかったからさ…いなくなって、一人でやってたらつまんなくて」 
 恋「…………」 
 A「──でもさ、彼女はまだ続けてるんだよね」 
 デザレ「まあきっとやってるんだろうな。やらずにあれだけできるとは思えねーし」 
 A「──じゃあやっぱり、まだ続けることにするよ。負けっぱなしじゃ悔しいしさ」 
 恋「──ありがとう、明日からV5が始まるけど、新曲たちにもよろしくね」 
デザレ「もし俺の兄弟とかが来たりしたら、遊んでやってくれよ」
A「うん、約束する。じゃあ、また明日──」 
  
  
  
 デザレ「──まさに、『パズルのピースを合わせるように』お似合いなカップルだな」 
 恋「『二人行く道に、どうか光が照らしています様に』──かしら?」 
 デザレ「俺の台詞を取るなよ…じゃあ、また明日、楽しみに待つとするか」 
  
  
Thank you for Playing!!!