コクピの苦い思い出(Extra・2)

※少しだけ性的表現があります。ご注意下さい。


〜MODEL FT2 Miracle Version's sight〜


はぁ…。どうして時間って早くすぎて欲しい時に限って遅く進むのかしら…。

私はMODEL FT2 Miracle Version。V3真のプレミアム。
私のお父さん、Mutsuhiko Izumiは初代GFから数々の名曲、難曲を生み出している。
特に『MODEL ○○』シリーズはギタドラ珠玉の譜面の持ち主ばかり。

そんなある日、私はV3のエキストラの一人、ミラージュ・レジデンス君と電話をしていた。
「やっぱり…お前の顔が…仕事の時だけじゃ…俺は見足りないんだよ…」
彼はそう言ってからすぐ、私がえっ?と言う間もなく電話が切れた。

ミラクル「ねえ、お姉ちゃん…」
DD4「どうしたの?」
ミラクル「実は…これこれしかじかで…」
DD4「…ふふっ」
ミラクル「えっ?どうしたのお姉ちゃん?」
DD4「分かるわ。その気持ちが。好きな人に出会えない時間っていつになく長いってこと」
ミラクル「ちょ//お姉ちゃん私まだ好きなんて一言も…」
DD4「じゃあ何でそんなにほっぺが赤いのかしらね…。
  私も彼がいるから分かるのよ。そういう人の気持ちがね。
  いいわ、夕飯は何とかするから、行っておいで」
ミラクル「…本当!?ありがとうお姉ちゃん!」
ダッ
DD4(…頑張るのよ、ミラクル)

あまりの嬉しさに、まだ時間があるのに私は家を出てしまった。
ギタドタワー前には7時30分に着いてしまった。あと30分かぁ…。

ギタドタワー前にはたくさんの人(曲)がいた。
カップルで話していたり、待ち合わせをしていたり…。

学生プレイヤー「やべ〜合計506点じゃギタド大学足切りになっちまうよ」

…そっか、今日はセンター試験なんだっけ…。

そしてやっと8時になった。でも誰もこっちに向かってくる気配がない。
どうしたんだろ…?と思った時、一台のバイクが目に止まった。
ヘルメットをしてたが、私には直感で分かった。…間違いない、ミラージュ君だ…。
そう思って急いで彼のもとへ走った。

ミラージュ「待ったか?」
ミラクル「ううん、私も今来たとこだよ」

そう言いつつも、彼の視線が私の顔に注がれてるのがわかった。

ミラクル「…もう、そんなに私の顔が見たかったの?」
ミラージュ「ああ。お前の顔が脳裏に焼きついて離れないんだ」
ミラクル「でも、そう言われてそんな見つめられると…なんか恥ずかしいわね。
   …で、この後どうするの?」
ミラージュ「映画を予約したんだ。お前の見たそうなやつをな」
ミラクル「映画かぁ…。どんなのが好みなのかあなた知ってたの?」
ミラージュ「見れば分かるさ。じゃ、行こうかミラクル」
ミラクル「あ…。あなた今私の名前を…」
ミラージュ「なんかこの名前で呼ばないとしっくりこないんだ…。嫌か?」
ミラクル「全然!でもなんか…照れちゃう…。男の人にそう呼ばれたの初めてだから…」

その後私はミラージュ君のバイクに乗って映画館へと向かった。
私は彼に映画の題名を聞かなかった。…彼を信じてたから。
そして、映画が始まった。
「アニュスの旅立ち」

ミラクル「あ…。ミラージュ君、この映画私のために…?」
ミラージュ「女の子なら一度は見てみたい…って書いてあってな。お前と一緒に見たかったんだ」

アニュス「でもこれからは…君が笑ってくれるなら僕はずっと君のそばにいて君を思っているよ。
   それがあのt(ry

いいなぁ…。人(正しくは曲かしらね)ってこんなに相手を思えるんだ…。
でも、私だって、ミラージュ君を想う気持ちなら、誰にだって負けない…!
そう思って、私はミラージュ君の手を握った。彼はすぐに手を握り返してくれた。
あったかい…。なんか心地よい感情が私の中を満たしてゆく…。

あれ?何で目が勝手に閉じちゃうの…?駄目よ…まだ映画は終わってない……。

あれ?何で私ギタドタワー前に?ミラージュ君は?どうなっちゃってるの…?
すると向こうからミラージュ君がやってきて、私にこう言った。

ミラージュ「ごめんよ、今まで寂しい思いさせて…」

私はたまらなくなって、彼の胸に飛び込んだ。

ミラージュ「ど、どうしたんだ!?」
ミラクル「このままでいさせて…。お願い、ミラージュ君…」

ところが、彼の体が急に透けてきた。彼は、残念そうな顔をしてこう言った。

ミラージュ「…もう時間だ。俺は戻らないと。お前とはここでお別れだ…。
    もっとお前と一緒にいて、お前の事を知りたかったよ…」

ま、待って!!私を置いていかないで!!!これから私どうすればいいの…?

急に目の前が明るくなり、私は横になっていた。

ミラクル「…う……ん…?ここは?」
ミラージュ「目はさめたか?ミラクル」

み、ミラージュ君!そう気づいた瞬間、私は自然と彼の体にしがみついていた。

ミラージュ「お、おい!?」
ミラクル「ミラージュ君っ!!もう絶対離さないっ!!」
ミラージュ「分かった、分かったからとりあえず落ち着いて」

そう言われて気づいた。ミラージュ君の体が透けるなんてありえない。
…私はあれから夢を見ていたらしい。

ミラクル「あ//…ごめん…。私なんか急に寂しくなっちゃって…」
ミラージュ「そんなに俺のそばにいたかったのか」
ミラクル「…うん。だって、私…」

思いを打ち明けるなら、今だ。そう思ったのに、彼に遮られてしまった。

ミラージュ「待ってくれ。そこから先は俺に言わせて欲しい。

    俺はお前が…大好きだ…」
ミラクル「ミラージュ君…」
ミラージュ「俺の方こそ、もうお前を離したくない…」

そう言うとミラージュ君は私の体をそっと包み込んでくれた。
その暖かさと彼の言葉に安心したのか、私は急に泣き出してしまった。
ミラージュ君が私の頭をなでてくれてるのが分かる。
…もう覚悟はできた。もっと深く彼と愛し合いたい。

ミラクル「よ、よかった…。ミラージュ君も…そう思っててくれて…。
   私も、…ミラージュ君が…大好き。…ずっと一緒にいたい。
   …ねえ、私、もう我慢できないよ…。あなたに私の全てを知って欲しい…。
   あなたの体温に直に触れたい…」

次の瞬間、私はベットの上に倒されていて、彼と唇を重ねあっていた。
…もう二度と離さないよ。その気持ちをこめて、彼の体に腕を絡めた。

それからその夜彼と何をしたか、私は今でも鮮明に覚えている。
普段なら言うのが恥ずかしいような内容の彼との会話も、
思い出すだけで顔が赤くなっちゃうような事も一つ一つ全部…。
だって…私はミラージュ君が大好きだから。彼が私を愛してるからこそしてくれた事だから。

The end.


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