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Little Courage・その9(最終話)


白昼夢兄弟と一切関係ない三人組。
彼らは流れていたクイズ番組の再放送を見終えたところだった。

RISE「思い出した!」
FIRE「何だよいきなり…」
RISE「DD5は…そうそう、力持ちだったんだ、すごく。
     DD6の奴はな、アイツ機械にめっちゃくちゃ強いんだわ」
ライトン「じゃあ、あの末っ子は?」
RISE「まだ知らない」
FIRE「最後の最後で…」


ギタドラ市内、とある病院にて。
303号室という病室に、DD7はいた。


DD7「お医者さんは何て言ってた?」
DD2「しばらく安静にしていれば、すぐに退院できるって」
DD7「よかった…」


ベッドの上で横になっているDD7はホッとした息を吐いた。
DD7の周りには、同じ白昼夢兄弟が彼を囲んでいる。
長髪の似合う美女や、どう考えても半漁人としか思えない人。
その他、様々な人が並んだ光景は、異様としか思えないものだった。


DD「コンマイ社にはしばらく出れないと連絡しておいた。
   しばらくゆっくりしてろや」
DD4「それまでは、DD6に雑用を任せるから」
DD6「は、はやく退院しろよ!」

すっかりこのことを忘れていたDD6は、動揺してしまった。
DDが窓の近くへ行き、窓を開けた。
もう秋の終わり近い風が吹いていて、少し涼しさがあった。
そして彼は、胸ポケットからライターとタバコを取り出した。

DD3「病院は禁煙だろ、兄貴」
DD「どうせ個別の部屋だ」


気にもしない様子で、タバコをふかし始めた。
他の兄妹達は、呆れた様子だった。
言葉のたとえでなく、本当の意味でタバコが主食の彼にとっては
タバコをどこでもふかすのは当然ではあると思っていたが
まさか誰しもが、病院でタバコをふかすとは思っていなかった。


DD5「はい、灰皿」
DD「あんがとよ」
DD5「はい、ニコレット」
DD「嫌味か?」

灰皿と同時にガムを出したDD5。
DD2が何か音に気付いたらしい。
ドアの方向へと向かっていった。

DD2「じゃあ、僕達は席を外すとしようか」
DD「…そうだな」
DD5「タバコは預かっておくよ、廊下でふかしちゃ困るし」
DD3「ライターも没収な、兄貴」
DD4「DD6、行くわよ」
DD6「え、なんで?」
DD2・3・4・5(空 気 読 め よ)

空気の読めないDD6を引っ張るDD5。
部屋にはDD7、ただ一人残っていた。

DD7(何でまた、ヴォイドさんやマドブラ、アンコンさんがあんなことしたんだろう?
    絶対、何か理由があるはずだ。
    退院したら必ずその理由を聞いてみよう)

廊下にて。
落書き帳「303号室…あ、あそこだわ」
DD(曲名が曲名とはいえ)
DD6(どう考えても、ヨウジョってもんだよな、あの人)
DD5(もしかして生みの親の趣味なのか? そうなのか? 答えてくれないか?)

病室を探す落書き帳を全く気にしない白昼夢兄妹達。
彼女が病室に入っていっても、少しも気にしない様子だった。


DD6「なんで部屋から出たんだよ?」
DD4「ここは病院よ、静かにしなさい」


303号室。

DD7「落書き帳さん…」
落書き帳「いい加減、『さん』をつけるのはやめたら?」

落書き帳の右手には、果物がセットになった
よくあるお見舞い品があった。

DD7「えっと、じゃあ、落書き帳……」
落書き帳「そう、それでいいのよ」

彼女はそう答えると、DD7が横になっているベッドに
座ってきた。
DD7は、彼女の行動に内心驚いていた。
心の中でピシリと電流が走ったような感触だった。


落書き帳「……ごめんなさいね、あんなことになっちゃって」
DD7「い、いえ、そんな」
落書き帳「こんなものしか用意できなかったけど」
DD7「気にしないでください、僕は大丈夫ですから」

落書き帳「そんな怪我なのに?」

彼女は小さく呟いた。

DD7「え?」
落書き帳「ううん、いいの、気にしないで」
DD7「落書き帳さん」
落書き帳「『さん』はいらない」

彼の失言に、彼女はピシャリと答えた。

落書き帳「ねぇ、目、閉じててくれる?」
DD7「…はい」


彼は言われるままに、目を閉じた。
彼の右の頬に、暖かく、やわらかいものがあたった。
今まで一度も感じたことのない、暖かさ。
これから二度と味わうことのない、やわらかさ。


落書き帳「目、開けていいわよ」


彼は目を開いた。
彼と彼女の顔は、ほんの数ミリほどの距離しかなかった。
おたがいに顔を赤らめて、サッと距離をおく。

DD7「落書き…帳…」
落書き帳「また今度来るわね」


彼女はクルリと向きを変えて、ドアのほうへ歩いていった。
ドアを開けた先にいた白昼夢兄弟たちは、無表情で立っていた。
ただ一人、例外を除いて。


DD2(成長したね、DD7♪)



小さな勇気でしかない。
小さな勇者でしかない。
そんな彼は、小さな者は
小さな勇気で、愛するものを助けた。
小さな勇気が、大きな結果を生んだ。
小さな勇者が、一つの伝説を残した。
後世に伝わらない、小さな伝説と、大きな結果を。



Little Courage 完


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