あの瞬間、何もかも吹き飛んで頭の中が真っ白になった。
突然、DD4さんの義理の弟だなんて言われても。

そんなの、わからないよ。

僕たち兄弟のお父さんがいる。
DD4さんたちのお父さんがいる。
だけどDD4さんたちのお父さんは僕とブラホラくんのお父さんで。
どっちが本当のお父さん?
…どっちもか。
ああ、もうよくわからない。難しいなぞなぞみたいだ。

今まで他人だと思ってた人が、他人じゃなくなった。
あれ、じゃあブラホラくんとDD4さんは兄妹?

嘘だぁ…。

認めたくない。
認めたくない。
でも認めなきゃ。
頭じゃあわかってんだ。

…拒んでる。
僕のお父さんを拒んでる。
DD4さんを拒んでる。
ブラホラくんを拒んでる。
ついでに僕自身も。

お父さんが二人。
いきなり倍以上に増えた兄弟。

僕、誰なんだろう…。



ブラホラ・DD4逃走から二時間後のイエパニ宅。

DD3「…どこにもいねぇな」
イエパニ「晩飯のラザニア冷めちまう…orz」
DD3「お前大変だな…」
デイドリ「ところでお茶菓子は出ないのか?」
イエパニ・DD3「 帰 れ 」

ガジャン!!

イエパニ「……!?」
?「………」
イエパニ「ホワトルお帰り!ずぶ濡れじゃないか」
ホワトル「………」(無言で家に上がる)
イエパニ「風呂入って来な。風邪ひくぞ」
ホワトル「………」(気怠そうに歩いていく)
イエパニ「体どこか悪いのか?それとも何か悪いものでも食べ」
ホワトル「僕に構わないで」(ピシャリと自室のドアを閉める)
イエパニ「…ホワトル……」
DD3「会ったな、おそらく」
イエパニ「二人にか?」
DD3「そんな気がする」

ガジャン!!

イエパニ「今度は誰だ?」
ブラホラ「兄貴!ホワトル戻ってない!?」
イエパニ「お前もずぶ濡れか!とりあえず着替えt」
ブラホラ「戻ってるんだろ!?」
DD3「…やっぱりな」(小声で呟く)
イエパニ「戻ってる分には戻ってるけど…」
ブラホラ「あのバカ、逃げ足だけは速いんだ」(握り拳を作る)
イエパニ「やめなさい」
ブラホラ「兄貴…」
イエパニ「少しそっとしておこう」
ブラホラ「………」(兄に諫められて言葉が出ない)

ガジャン!!

DD4「ブラホラさんとホワトルさん戻ってます!?」
イエパニ「(ドアが壊れる…!!)」
DD3「DD4!心配したぞ…あぁ、上から下までびっしょりじゃねぇか」(イエパニ、タオル貸せ!と急かす)
ブラホラ「DD4…」
DD4「二人とも急に走り出して…私…」
ブラホラ「ごめんな、置いてきぼりにしちまって…」
DD3「てめ、俺の妹を置き去りにするたぁ何てことを!」
DD4「ブラホラさん……」(うわあぁ、と堰を切ったように泣き出す)
ブラホラ「あぁ、もう泣くなよ…本当…ごめん」(DD4を抱き寄せて、背中さすってなだめる)

イエパニ「本当…こうされると義理とは言え兄妹に見えないね…」
DD3「まったくだ」

ライム「ただい…ええっ!!?」(状況が飲み込めずに唖然とする)
イエパニ「(なんでこんな時に帰って来るんだ…)」


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