DD4「あ、雨…」
ブラホラ「…どこかで雨宿りしようか」
DD4「はい」

(バー『joker』の軒先)

DD4「…ひどい雨、ですね」
ブラホラ「あぁ」

  タッ タッ タッ タッ …

ブラホラ「…誰か来る」
DD4「誰…でしょうね?」

?「何だよもう…今日は一日晴れの予報だったのに」
ブラホラ「…DD4、行こう」
DD4「え…?だってまだ雨止んでn」
ブラホラ「いいから」
?「あ、ブラホラくんじゃん!」
ブラホラ「(…バレちまった)」
DD4「ホワトルさん?」
ホワトル「DD4さんお久し振りです!こんなところでどうしたんですか?」
DD4「ちょっと…ね。『お散歩』してたら雨が降ってきたので」
ブラホラ「そう、散歩…」
ホワトル「へぇ…珍しいね、出無精のブラホラくんが散歩なんて」
ブラホラ「………」

?「貴方たち…普通の知り合いとかではないみたいね」
DD4「あの…どちら様ですか?」
水晶「申し遅れました。私は水晶…占い師です」
ブラホラ「占い師?」
水晶「兄弟ですね、貴方たち」(チラ、と三人を見る)
ホワトル「兄弟は僕とこの人(ブラホラ)だけですよ」
水晶「いいえ。貴方たち全員です」
ホワトル「…え?」
DD4「わかるんですね…」
ホワトル「何言ってるんですかDD4さん!僕の兄弟は…」
水晶「赤い糸と、黄色い糸が見えます」
三人「………?」
水晶「ブラホラさんにDD4さん…と言いましたね」
ブラホラ「ああ」
DD4「えぇ、はい」
水晶「貴方たちの間に、赤い糸が見えます。太くて強い糸…」
DD4「赤い糸ですか?」
水晶「深く愛しているのね。貴方も彼も」
ブラホラ・DD4「…はい」

水晶「それと…ホワトルさんと言いましたっけ」
ホワトル「はい」
水晶「貴方とお二人の間に黄色い糸が見えます」
ホワトル「黄色い糸って…?」
水晶「兄弟愛の糸です」
ブラホラ「全部見えてるのか…?」
水晶「見えないもの以外は全部見えますよ(クスクス)」

ホワトル「僕と二人…兄弟愛?」
ブラホラ「要は、お前はDD4の義理の弟ってことだ」
DD4「そしてブラホラさんは、私の義理のお兄様」
ホワトル「嘘だぁ…こんなのデタラメだよ」
水晶「黄色い糸は、切れない糸」
ホワトル「こんなの嘘に決まってる…僕は信じない」(止まない雨の中、駆け出す)
ブラホラ「ちょ、待てホワトル!……あのバカ!」(ホワトルを追う)
DD4「ブラホラさん!ホワトルさん!」
水晶「………」

DD4「二人とも…」
水晶「…貴方の目の前に、大きな壁が見えます」
DD4「壁…?」
水晶「壁から逃げるのは、とても簡単です。とても楽な方法」
DD4「………」
水晶「難しいのは、それを乗り越えること」
DD4「水晶さん、私たちは…壁を越えることが出来るのでしょうか」
水晶「神は越えられない壁など与えませんよ」
DD4「そうなのですか?」

水晶「この雨がいつか必ず止むように、どんなに高い壁もいつか必ず越えられます」

DD4「…そうですよね」
水晶「壁の前で苦しんだ分、後に見えるものが輝いて見えますよ」
DD4「…はい」
水晶「あなたに光を」
DD4「…ありがとうございます」
  (では、と一瞥してブラホラの後を追う)


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