コクピの苦い思い出(4)


俺は家に着いた。すると、何故か多くの靴に混じってコクピ兄貴の靴があった。
何故だ?今日は夜勤で帰ってこないはずでは…?
…でも兄貴から話を聞くにはちょうど良いと思って気にしなかった。

コクピ「おう、お帰りミラージュ。どこ行ってたんだ?女の家か?」
ミラージュ「んなわけねえだろ。DD家に行ってたんだ」
コクピ「どうせFT2Mちゃん目当てだったんだろ」
ミラージュ「だから違うって。DD5さんから聞いたぜ、兄貴のエキストラ時代」

FT2M、と聞いてちょっと顔が赤くなったが、そんな事は気にも留めなかった。
一方の兄貴は顔を少しこわばらせて、こう尋ねた。

コクピ「…調べたのか…?俺の失恋話を…」
ミラージュ「すまない。けどどうしても気になったんだ。どうして彼女にこだわるのか」
コクピ「………幼女だからさ」
ミラージュ「嘘つくなよ。可愛かったんだろ、彼女の事が」
コクピ「それは当時の話。今はそんな感情とっくに捨て…」
健太「ていない。捨てれるわけない、よな」

いきなり誰かが横に現れて俺たちはびっくりした。
現れたのはCENTAUR兄貴だった。どうやらこの話を聞いてたらしい。

コクピ「な、何言ってるんだよ!俺はそんな事思ってない!」
健太「もうよせ、自分を抑えるのはやめるんだ」
ミラージュ「抑える…?どういうことだよ?」
健太「教えてやるよミラージュ。コクピの心の底の感情をな…。
   実は今のコクピはタイピとアニュスが付き合ってから出てきた本性なんだ。
   つまり、コクピはもともと幼女好きだったんだが、彼女の存在がそれを隠してしまっていた。
   そしてコクピはその後は本性のまま9&10の残りを過ごしてたんだ…。」

健太「そして10&11稼動直前、コクピは思い切って本音を打ち明けようとしたんだが…。
…………
DD5「もうすぐ俺たちも通常曲か…」
アニュス「色々大変だったね…」
コクピ「全くだな…。10&11からはもうちょっとゆっくりさせて欲しいな」
タイピ「私は次もエキストラだからまだまだ忙しそうです」
アニュス「大丈夫だよ。タイピちゃんならきっと…。」
タイピ「でももうずっとアニュスに会えないんですよ?そんなの…耐えられないです…」
アニュス「ずっとじゃないさ。11&12…じゃなかった、Vになればまた会えるよ。
   それに、もし君が会いたいなら、いつでもHSMAXで君のところまで飛んで行くさ」
タイピ「本当ですか…?嬉しいです…」
DD5「全く…。いいカップルだな2人とも。」
コクピ「本当だな…」
DD5「タイピ、向こうでも俺の新しい弟を宜しく頼むぜ」
タイピ「DD6…ですね。はい、分かったです。
   DD5もDD4さんやDD3さんと仲良くするですよ」
DD5「4の姉貴と3の兄貴か…。まだ会った事はないが楽しみだな。
  2の兄貴とデイドリ大兄貴も帰ってきてくれるといいんだが…」
コクピ「大丈夫さ。きっとコンマイ神が何とかしてくれるさ。
   タイピ、お前と仕事できて楽しかったぜ。ありがとな。
   …それともう1つ、お前に言いたい事が……」
タイピ「何ですか…?」
コクピ「俺は………お、…おま、……お前………。」






   お、お前を最高のツルペタッ娘として一生忘れないぜ!」
タイピ「んな!?だ、黙れですぅぅぅ!!!」
-赤OP発動-
コクピ「ちょ、待ってくれ!違うんdぎゃあぁぁぁぁぁ!!」
ピチュン
DD5「……こいつは最後までこうだったな…。やれやれ」
アニュス「でもコクピ君らしいや。じゃ、そろそろ時間だね」
DD5「こいつは俺が運んどくから気にせず引き継いでくれ」
DD6「…お〜い、準備はまだか〜?」
タイピ「もう来たですか。じゃ、向こうでも元気にするですよ」
〜稼動一日目終了後〜
DD5「……コクピ、お前、伝えたかった事が違うんじゃないか…?」
コクピ「……………………」
DD5「…コクピ…?」
コクピ「うわあぁぁぁぁぁぁ!!!俺の馬鹿あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
DD5「お、おい、落ち着けよ…!」
コクピ「何で俺は『お前が大好きだった』ぐらい言えねえんだよおぉぉぉ!!!!!!」
DD5「…コクピ……」
コクピ「うわあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
…………
   この晩はずっとコクピは泣き続けた。あれは俺が見たあいつの最初の涙だった。
   本当は思いを伝えたくて伝えたくて仕方がなかったんだよ。そう、今でもな」
ミラージュ「…答えになってないぞ兄貴。それじゃ何故隠したのか分からないぞ」
健太「話は最後まで聞け。まだ続きがあるんだ。
   やがてVになって、コクピは考えた。今タイピはアニュスと一緒になって幸せなんだ。
   その幸せを俺は崩しちゃいけない。タイピが大切だからこそ、その思いはいっそう強かった。
   でもやっぱり未練が残ってた。だからコクピは、あえて本性のまま生きようとした。
   そうすれば、タイピも俺を嫌ってくれるはず、と考えたんだ。そして今そうなんだ。
   でも心の奥底には、捨てきれない、消えてくれない未練が残ってるはずだ」
ミラージュ「……そんなに複雑な事を1人で背負って兄貴は生きてきたのか…。」
コクピ「…本当に奇しくも彼女は幼女だった。付きまとってれば相手も疎ましく感じると思った。
   そうすれば俺の中の感情も消えてなくなってくれると思った。
   …俺はこれからもそうする。その感情が消えてなくなるまでな」
ミラージュ「………それは違うぜ、兄貴」


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