コクピの苦い思い出(7)
ささきっさの4人は、音を立てずに、すっと奥へと去っていこうとした。
俺は奥に入るのは失礼と思い、店を出ようとした。だが誰かに袖を引っ張られた。
ゆら「(あなたにはまだちょっと用事があるので、来て下さい)」
用事…?ただ付き添いできた俺に…?何も知らされないまま、奥に連れて行かれた。
奥の和室にはキッチン組の4人がいた。その中には当然デパチャもいる。
この4人は隣で起こってる事情をよく分かってるらしく、誰も喋らない。
以前なら、奴を見たとたん嫉妬感が体中を駆け巡ってたはずだが、今の俺は違った。
…やっぱり、相手が誰であれ、俺は誰かに好意を持ってるのだろうか…。
そう思うと、未だ出て来ない好意の感情にいらだちと不安を覚えた。
すると、その4人とは別に、もう1人横になっている男に気づいた。…それは……。
ミラージュ「ベ、ベロシティの兄貴!?どうしてここに!?」
蒼「あなたたちが来るちょっと前の事なんだけど…」
〜DD573コース1プレイ分お待ちください〜
ミラージュ「この馬鹿兄貴め…。本当にすみません、こんな迷惑かけて…」
ゆら「私なら大丈夫。それにあなたが謝る事ではありませんよ」
ミラージュ「…あとでノンストオーダーで俺の赤OP+SRAN4連奏させなきゃな…」
落「もうすでにトプランGF赤OP+SRANやっちゃったんだけどね…」
百「まあその影響で店がちょっと汚くなっちゃったのよね」
そうか、だから3人は機嫌が悪かったのか…。やっと話の流れがつかめた。
それにしても、こんな日にやってくるなんて…ベロシティの兄貴も間の悪い奴だ。
ベロシティ「……ン?ココハ…?」
ミラージュ「(まずい!ゆらさん、早く奥に逃げてください!こいつは何とかしますから!)」
ゆら「(じゃ、後は任せましたよ)」
ケチャ
バタン
ベロシティ「オイ、ナンデオマエガココニ?」
ミラージュ「…とりあえず表に出ようか、兄貴」
イスト「勝手口なら廊下の突き当たりだよ」
俺はイストに礼を言って兄貴を表に連れ出した。
ベロシティ「コンナトコロニツレダシテ、ナニヲスルキダ?」
ミラージュ「……」
ベロシティ「…ミラージュ?」
ミラージュ「人の店に上がっておいててめえは何してるんだこらあぁぁぁ!!!!」
-ノンストオーダー赤OP4連奏+SRAN+HSMAX+HID+SUD+HAZARD発動-
ベロシティ「ノンストダケハヤメテkギャアァァァァ!!」
ピチュン
ベロシティの兄貴は見るも無残な姿になっていた。…当然だ。何やってんだか…。
仕方がないので俺はそのままささきっさへと戻った。
ボビス「一仕事済ませ終わったかい?」
ミラージュ「ああ。で、そのまま置いてきた」
壁「大丈夫かい?あんな奴を置き去りにして…」
ミラージュ「なあに、あの状態なら何もできないさ」
すると、店から二人の会話が聞こえてきた。
タイピ「本当に…コクピの気持ちに応えられなくて…ごめんなさいです…」
コクピ「気にするな。お前がアニュスと一緒だろうが、お前が幸せならそれで俺は十分なんだ」
タイピ「…コクピ…」
デパチャ「ミラージュ、お前の家は、本当は根のいい奴らばっかなんだな…」
ミラージュ「どうせお前は俺を例外だと思ってるんだろ?」
デパチャ「思ってないさ。…少なくても今日のお前を見る限りはな」
蒼「処理は終わったの?」
ミラージュ「ええ。あ、そうだ、コンチェさんに頼みたい事が…」
蒼「えっ?私に?」
ミラージュ「兄貴がアニュスさんに伝言をと言ってたんですが、代わりにお願いできますか?」
蒼「コクピ君の伝えたい事…うん、何となく分かる気がするけど、いいわよ」
ミラージュ「助かります…。じゃあ言いますね。
『アニュス、もしお前がこの先タイピを泣かせたり苦しませたりなんてしたら、
俺がすぐお前のところに飛んでいってお前をぶん殴ってやる。
それがいやだったら、タイピをずっと…俺の分まで…愛してやってくれ』だそうです」
蒼「アニュス君はそれを聞いたらびっくりするだろうなぁ…。分かったわ」