Little Courage・2


ギタドラにて。
ここがギタドラ曲の職場である。
が、ギタドラ以外にも職場を持つ曲はある。
ビーマニ、ダンレボ、ポップン。
様々ではあるが、実際ほとんどの曲は
ギタドラのみで働いていることが多い。

待機室にて。
各曲が選曲されるまでは、ここで待っているのであり、
職場の待機室は曲のレベルで区別されている。
なので、選曲されない彼、
白昼夢兄弟の長男、DAY DREAMは
すごーく暇なわけであった。

DD(今日もまた選曲されねーなー)

ピリリリリリ。
携帯電話の着信音が鳴る。
あまりこういったことに興味を持たない彼は
ほとんど携帯を使用する場面すら少ない。
珍しいなと思いつつ、電話にでた。

DD「もしもし、泥鳥だが…」
RISE「おう、久しぶりだな泥鳥! 元気にしてたか?」
DD「RISEのおっさんか…」
RISE(年上には敬語を使うもんだろ…)

RISEよりもDDの方が職場での立場は上である。
年齢よりも実力主義な彼は、あえて反論しなかった。

DD「で、今仕事してる最中なわけよ。用件は?」
RISE「DD7の事なんだが…」
DD「あいつがどーかしたのか?」
RISE「いや、その、だな…あー…うん」
DD「おい、悪戯なら電話きるぞ」
RISE「実は、佐々木んとこのプログレ曲にホの字らしくてな…うん」

しばし沈黙が続く。
DDは不満そうな声も出さず、ただじーっと黙っていた。

DD「それが?」
RISE「一応、兄弟の一番上のお前に伝えておこうと思ってな。
     保護者みたいなもんだろ?」
DD「……そんなことで電話すんなよ」

大きくため息をついて、DDはそう言った。

DD「アイツだって、もうこの職場でやっていけてるし、
   コンマイからの給与もしっかり使えてる。
   一応、俺はアイツを『一人の大人』として見ているんだ。
   だから別にいらんぞ、そんな電話はよ、おっさん」
RISE(こいつ、ここまで考えてたのか…)
DD(ま、放任主義なんだがな)

DDの答えは、RISEが予想していたよりも
遥かに斜め上を行く返答だった。
普段、めんどくさそうに職場に来ている彼を見ると
どうも自分の兄弟を考えているとは到底思えない。
しかし、RISEはしっかりとその答えを聞いた。

RISE「わかった、じゃあ、この電話は無かったことにしてくれ」
DD「へいへいっと…」

携帯電話をポケットにしまった。
間を置いて、The least 100 secことリーストが待機室に戻ってきた。

リースト「電話してたみたいですが、何かあったんですか?」
DD「新手の宗教団体だったわ」

DDは胸ポケットからタバコとライターを取り出した。
リーストはそれを見て、待機室においてあった灰皿をDDに渡した。

リースト「職場は全面禁煙ですよ?」
DD「灰皿渡したやつが言う台詞かね?」


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